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中学時代にソフトボールと出会い、アテネオリンピック日本代表選手として活躍、引退するまでの14年間。その間に経験した数々の心の葛藤。坂井寛子が、スポーツを愛する全ての方にお届けするメンタルアドバイスのコーナーです。
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試合前のピッチャーに一番大切なことは何でしょうか?
日頃の練習内容や練習量に対しての自信、前日の睡眠や当日の体調、日頃の健康管理や試合当日の朝食のメニュー、チームや家族に関する心配事の有無……。考え出したら切りがありません。確かに、ここに揚げた事柄は、ソフトボールのピッチャーだけでなく、全てのスポーツ選手にとって大切な事柄です。しかし、これらは全て既に起ってしまった“過去”のことなのです。
試合は、直近の“未来”のことです。
これから一発勝負しよう!という時に、反省したり心配しても何も生み出しませんし、解決されません。過去のでき事は、これからの試合が終わってから試合内容と試合結果を振り返りながら、じっくり考えればいいのです。
では、一体試合前のピッチャーに一番大切なことは何なのでしょうか? 私なりの回答をする前に、もう一つ皆さんに質問。
皆さんは、試合直前の練習ではベストコンディションだと感じていたのに、いざ試合が始まったら……、そんな経験をしたことはありませんか?
私は、現役時代に何度かこの経験をしました。
試合前のブルペンでの投球練習では、球に切れがあり、変化も鋭い、その上、思いどおりの所へ「パシッ」「パシッ」と自分でも気持ちいい程本当に良く決まり、マウンドでの練習投球でも思わず「ニヤリ」としてしまいそうなベストコンディション。そして、試合開始後の第1投目。球が手を離れた瞬間に「えっ?どっ、どうしたの?今の投球は?」 その後も、「???……」という投球内容が続く。
ある日、これまでの試合を振り返り、試合前のコンディションと試合結果を調べてみました。
すると、試合直線の投球練習で調子が良い時ほど試合結果が悪く、逆にいつもより調子が悪くて大丈夫かなぁという時の方が完封していたりと投球や試合の結果が良かったということがわかりました。
これを試合内容と照し合わせて自己分析してみると、調子が良い時は安心してしまい、試合前に変な自信が出ていたり、自分の投球内容に対して「こんなはずはない」と心のどこかにあせりを感じていたことがわかりました。しかし、反対に調子が悪い時は、試合に必要な適度の緊張感を自分の中で保ってマウンドに上がり、投球も低めにコントロールしようといったことを意識下でしていたんです。
試合前のピッチャーに一番大切なことは何でしょうか? 今の私でしたら「無心になること」と答えるでしょう。
心の中の雑念を捨てること。悪い事だけでなく、良い事も雑念は、雑念。そうして全ての雑念を捨てて、心を“無”にして試合に臨むことがピッチャーだけでなく、どんなポジションの人にも、どのスポーツにも一番大切な心構えなのではないでしょうか。
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